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不動産の資産活用と相続対策

2022-09-28

土地や建物を購入する時に、法人で購入するべきか個人で購入するべきかという悩みの声をよく耳にします。
この悩みはかなり連立方程式のごとく複雑になっており、「相続時にどちらが有利か」、「所有している間はどうなのか」、「譲渡益に対する課税はどうか」、という多面的アプローチが必要になってきます。

それに加え、「不動産賃貸業」を行う法人なのか、「それ以外の商売」を行っている法人かで有利不利が変わり、更にはその使い道によっても変わってきます。

基本的には法人が有利

① 相続時に個人所有が有利か法人所有が有利かを比較。

(例) 甲社の100%株主であるYさん
Yさんが自用地として土地Zを購入し20年が経過しました。
取得価額は100万円で20年後の個人の相続税評価額は1000万円だとします。

【法人甲社で土地を所有している場合の相続税評価額】
Yさんは甲社100%株主になりますので、甲社の株を通じて土地Zを間接所有している
こととなります。
甲社の資産は土地Zだけであり、負債はないものとします。

このような場合、甲社の株式の評価は土地Zの評価額と一致するはずですが、取引相場のない株式を評価する際は、土地Zに含み益がある場合には、含み益に対して40%の法人税等相当額を控除することとなります。

従って

土地Zの含み益 : 時価1000万円ー簿価100万円=900万円
法人税等相当額 : 1000万円×40%=360万円
甲社株式の評価 :1000万円ー360万円=640万円

上記の通り、法人の相続税評価額は640万円となります。

結論

同じ土地ですが、簿価よりも値上がりしている土地を法人で所有している場合は、
法人の株式の評価上40%減額されます。個人で所有しているよりも土地Zの評価
は低くなるということになります。

 

② 所有している間、個人所有が有利か法人所有が有利かを比較。
法人で収益目的のマンション等の不動産を購入すると、所得分散が可能となります。
個人でマンション等不動産を所有している場合は当然のことながら、すべての収益が個人に帰属することとなります。
これに対して会社がマンションを購入することで、賃貸収入は会社に帰属します。そこ
で、会社はその収益財源より従業員へ給与として支払うことで所得分散ができるという
ことになります。

注意事項としては会社が所有する不動産を個人の自宅に使用している場合は、家賃に
気を付ける必要があります。無償で賃貸したり、極端に安い賃料で貸したりすると、会
社から役員に対する経済的な利益の供与として給与課税されるリスクがあります。

 

<参照リンク>
税務研究会
https://www.zeiken.co.jp/

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